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環境に優しい建物

新しく建てる場合も、既存の構造物を改築する場合も、カリフォルニアのワイナリーは環境に配慮した構造と設計になっており、建築においても自然素材やリサイクル素材を利用します。建物は伝統的な手法と現代的な手法を組み合わせ、エネルギー消費と環境への負荷を削減しています。

建築設計

ワイン生産地でよく見られるソーラーパネルに加え、ワイナリーでは岩や版築、干し草等を使って厚い壁を作り、内部を低温に保ちます。地下のカーヴは、エアコンがなくてもワインを理想の温度に保つことができます。折りたたみ式の屋根は夜間換気のために開け放たれ、タンクや樽を冷やすための空調や冷却装置の利用を最低限にすることができます。

リサイクル素材

カリフォルニアのティスティング・ルームやオフィス、その他のワイナリースペースでは、通常、既存の建物から回収した石と木材を使用して、味わいを出すと同時に素材に第二の人生を与えています。

重力移動システム

多くのワイン生産者は生産過程においてブドウとワインを移動させる際に重力の力を利用し、ポンプやその他の装置の必要性を排除しています。カリフォルニアのワイナリーはこの昔ながらの技術を用いてエネルギーを節約し、ダメージを受けやすいブドウをできるだけ優しく取り扱っています。

ワイナリーでの水利用

破砕から瓶詰めまで、ワイン製造過程において水は必要不可欠です。カリフォルニアのワイナリーは、水の使用を削減するだけでなく、この貴重な天然資源をリサイクルし再利用する画期的な方法を発明しました。

処理水プール

処理水プールは、カリフォルニアのワイナリーの多くで見られるもので、機材や施設を洗浄、除菌する目的で使用された水を貯めておきます。このプールの水は処理され、再利用されます。一部のワイナリーでは、生体分解などの新しいテクノロジーやその他のタイプの水処理システムを設置し、排出した水を安全に再利用できるようにしています。

生息地/湿地の恩恵

カリフォルニアのワイナリーは、ワイナリーから排出された水を再利用し、湿地帯を作っています。湿地帯は水鳥やその他の野生動物の生息地となります。水の浄化には追加のステップがいくつか必要となりますが、これらの湿地帯によって生み出される美しい風景と生物の多様性はその努力に充分値すると考えています。

節水と水の再利用

カリフォルニアのワイナリーは、水を大切に使うために積極的に利用状況をチェックし、従業員の意識を高め、水の効率のために定期的に装置をテストしています。さらに水は頻繁に土地の灌漑、防霜や防火、噴水、その他農業目的に再利用されています。

ワイナリーのエネルギー効率

天然資源を大切に使いエネルギーコストを最小化するため、カリフォルニアのワイナリーは州全体で、エネルギーを効率的に利用するための対策に投資しています。カリフォルニアのワイン産業では、太陽光発電や風力発電を含む代替エネルギーが幅広く採用されています。

効率的な装置

ワインを冷やす、または温めるための断熱タンクの利用は、冷却または加熱の必要性を低減させ、またワイナリーの建物にタイマー付きの扉開閉装置を付けることにより、カリフォルニアの暑い夏の日に、冷たい空気を内部に閉じ込め、熱い空気を屋内に入れないようにすることができます。モーター、駆動装置、ポンプに使用されるエネルギー効率の高い新技術も、ワイナリーでの利用が幅広く進んでいます。

照明

カリフォルニアのワイナリーの多くは、エネルギー効率の高い照明システムを設置しています。これは、白熱灯電球を小さな蛍光灯電球に交換し、照明のオンオフを自動制御するシステムを設置し、必要な時に必要なエリアだけを照らす「タスク」照明システムを設置することにより行います。ワイナリーの設計には、可能な限り自然光を取り入れるようにします。

太陽光

カリフォルニアは太陽光があふれているため、代替エネルギー源としてワイナリーが太陽光発電を採用しているのも納得できます。一部のワイナリーは太陽光パネルを用いて、ワイナリーとブドウ畑双方の必要エネルギーの100%を供給し、さらに残った電力を電力会社に売却しています。

廃棄物の削減、従業員教育、およびエコロジーに着目した購入

カリフォルニアのワイナリーでは、リサイクルや従業員教育、エコロジーな取り組みを実践しているガラス瓶やコルク栓などの優先購入を通じて、廃棄物の削減に取り組んでいます。ワイナリーから出る、ポマス(醸造後に残るブドウの果皮や種子など)や澱、ダンボールや紙、ガラス瓶などの固形廃棄物の大半は再利用やリサイクルが可能なため、廃棄物を劇的に削減できます。

削減、再利用、再生利用

カリフォルニアワイナリーでの一般的活動として以下が挙げられます。紙、プラスチック、段ボール、ボトルのリサイクル。ミーティングルームとランチルームにコンポストエリアを作る。ブドウの絞りかすと滓(ワイン生産の副産物)を堆肥にしてブドウ畑に戻したり、造園に利用する。天然コルクはティスティング・ルームなどでリサイクル。ワイナリーではオーク樽の内部を削り、再度トーストして再利用したり、学校やコミュニティセンターへ寄付して様々な用途に利用してもらったりします。

従業員研修

企業における総合的な廃棄物削減プログラムを発展させるには従業員の教育が極めて重要です。カリフォルニアのワイナリーの多くは各部門の代表従業員による「環境保護チーム」を結成し、目標を設定し、削減活動を実施し、また改善を監視しています。ワイナリーとブドウ畑の従業員全員で社内コミュニケーションを図り、認知度を高め、参画を促しています。

環境保全上望ましい購買手法

カリフォルニアのワイナリーはさまざまな供給業者から物品を購入していますが、それらにはボトルや紙、段ボール箱、キャップシールやコルク、ブドウ畑の備品、オフィス機器、車両、清掃用品などが含まれます。ワイナリーはサステナビリティに関するサプライヤー基準を設定し、包材にリサイクルまたは使用済のものを採用するよう、またワイナリーが使用しない余った用品を引き取るようベンダーに要請しています。多くのワイナリーでは環境に優しい大豆ベースのインクをラベルに用い、塩素漂白されていないダンボールを出荷箱として使用しています。